お宮参りの正式な流れとは?お宮参りの持つ意味や祈祷の流れについて

この記事では「お宮参りという行事の意味」、「お宮参りの正式な流れ」について解説しています。また「祈祷の流れ」についても解説しています。

近年では「お宮参り=記念」という取られ方が強く、お宮参り本来の流れなどがあまり知られていません。お宮参りは記念ではありますが、同時に神聖な行事であるため、そこには明確な流れが存在します。そこで今回は「お宮参りの流れ」などについて詳しく解説していきます。

お宮参りという行事の持つ意味とは?

まず「お宮参りの持つ意味」について解説していきます。お宮参りという行事は「赤ちゃんの健康やこの先の成長などを神に祈る」という意味を持ちます。また「神に無事生まれたことを感謝し、守ってもらえるよう祈りに行く」という意味合いもあります。

お宮参りが始まった鎌倉時代は、医療が未発達であり赤ちゃんの死亡率が非常に高い時代でした。そのため、神社で祈祷してもらうことで「神の加護」を授かり、今後の成長を祈る目的で始まったと言われています。

もともと氏神様に祈りをささげる行事であるため、生まれた地域にある「産土神社(うぶすなじんじゃ)」でしか行われていませんでした。今では
・有名な神社へ参拝する
・お寺でお宮参りを行う
といったケースもあり、こうした風潮が薄れ自由になってきています。

お宮参りのご祈祷は必須なのか?

お宮参りと言えば「ご祈祷」というイメージが強いため「絶対にしなきゃいけない」と思っている方は多いです。しかし、実際には「祈祷する方が望ましい」という程度です。そのため、無理して行う必要はありません。

現に「祈祷はせず、参拝だけで済ませた」という方は多いです。こうした人たちの祈祷しなかった理由は
・お産後の体調がすぐれなかった
・みんなの予定が合わなかった
・赤ちゃんがぐずりそうなのでやめておいた
などが多いようです。

また、近年では「お宮参りに行かない」という人も増えており、その割合は全体の1割以上になるそうです。優先すべきは母子の健康なので無理はしないようにしましょう。

祈祷なしでのお宮参りとは?

ここでは近年増加中の「祈祷なしで行うお宮参り」について
・祈祷なしで神社へ参拝する
・神社へ行かず写真撮影だけする
以上2つを紹介していきます。もちろん前述の通り「祈祷をするお宮参り」が望ましいのですが、あまりこだわりすぎず、家族の都合に合わせた形でお宮参りをしてください。

祈祷なしで神社へ参拝する

これは、祈祷はせず神社で参拝だけ行うお宮参りです。「遠出はできないが近場の神社なら行ける」という人に選ばれることが多い方法です。小規模の神社の場合、祈祷を受け付けていないこともあるため、この方法が取られています。

また有名な神社でも「祈祷は大変」ということで、この方法が取られることもあります。お宮参りの参拝も通常時と変わらず「二礼二拍手一礼」のままです。

神社へ行かず写真撮影だけする

これは近年流行っているお宮参りの形です。本来の形や意味からは遠ざかってしまうものの、「記念写真を残したい」という人に人気です。お宮参りを全工程行うより手軽であることも流行っている理由の1つです。

フォトスタジオで撮影する場合には、基本的に着物などがレンタルできるため、好きな格好を赤ちゃんにさせることが可能です。また、祖父母に写真のプレゼントもできるため「お宮参りに行かない」という方におすすめですよ。

祈祷を希望の際に注意すべきこと

祈祷を希望の際に注意すべきことは、1つです。それはお宮参りをする際、祈祷することが決まった時点で「神社に連絡する」ということです。なぜなら、祈祷には「事前予約が必要」というケースがあるからです。

人気の神社であれば「数ヶ月先まで予約がいっぱい」ということも珍しくありません。また
・祈祷を行う曜日
・祈祷を行う時間
などがあらかじめ決められている場合もありますので注意しましょう。さらに「事前予約はいらないが、受付は午前のみ」という神社もあるため、事前に連絡し確認しておいてください。

お宮参りの一般的な流れ

お宮参りの一般的な流れは
1. 鳥居をくぐる
2. 参道を歩き手水舎へ向かう
3. 手水舎でお清めをする
4. 受付で祈祷の予約確認などをする
5. 待合室で祈祷まで待つ
6. 家族で祈祷を受ける
7. 授与物などを受け取る
以上の通りです。決まりを含む工程もあるため、順に解説していきます。

1. 鳥居をくぐる

神社での参拝はお宮参りに限らず「鳥居をくぐること」から始まります。くぐる際には
・鳥居の前で中央から左右どちらかに寄る
・一礼して鳥居をくぐる
以上のルールに気をつけましょう。

2. 参道を歩き手水舎へ向かう

手水舎へ向かう際には、参道があります。参道では「中央を歩くのは避けるべき」とされていますので、端を通りましょう。なぜなら、中央は「正中」と呼ばれる「神様の通る道」とされているためです。参道を通る際には意識するようにしてください。

3. 手水舎でお清めをする

本殿などで参拝する前に、手水舎でお清めしてください。手順は
・右手で柄杓を持ち左手を清める
・左手で柄杓を持ち右手を清める
・手に水をため口を清める
・水をためた手を再度清める
・最後に柄杓を立て柄の部分を清める
以上です。ここまでが出来たら、柄杓を置き場に返して完了です。

4. 受付で祈祷の予約確認などをする

受付は神社によって異なりますが、社務所か総合受付を探してみてください。そこで予約したと言えば、祈祷の申請用紙などがもらえますので、記入して受付を済ませてください。初穂料(祈祷料)は受付で納めるため、準備しておきましょう。

5. 待合室で祈祷まで待つ

祈祷までは、待合室で過ごすことが多いです。赤ちゃんの授乳やオムツ替えは、ここで済ませておくことをおすすめします。しかし、授乳スペースなどがないケースもあるため、事前に神社へ問い合わせ確認しておきましょう。

6. 家族で祈祷を受ける

これはそのままです。参加者で祈祷を受け、赤ちゃんの今後の健康などを祈りましょう。

7. 授与物などを受け取る

神社によって多少違いがありますが、祈祷後
・お札
・お守り
・お食い初めの器
といった授与物を受け取ることがあるため、それを受け取ってください。これで流れは全部です。祈祷単体に30分は最低でもかかるため、時間に余裕を持って臨みましょう。

祈祷の基本的な流れ

祈祷の基本的な流れは以下の通りです。

1. 昇殿(しょうでん)
これは祈祷が行われる本殿の中へ上がることをさします。神職の案内に従うようにしてください。

2. 修祓(しゅばつ)
神様をお招きする準備のようなものです。祈祷を受ける人の心身を清める意味があります。

3. 祝詞奏上(のりとそうじょう)
神様を称える言葉を述べ、ご加護をお願いする意味があります。

4. 御神楽(おかぐら)
巫女が雅楽に合わせて舞い、神様を楽しませる意味を持ちます。

5. 玉串奉奠(たまぐしほうてん)
榊の枝などから作られた玉串を祈りとともに神様へささげます。供物的な意味を持っています。

6. 神職挨拶・神酒拝戴(しんしゅはいたい)
参拝する神社次第で異なりますが、祈祷の終わりに行われるものです。多くの場合
・神職とともに拝礼
・報鼓が鳴らされる
ということが行われます。その後、神酒を受け取りますが、飲めない方は飲むフリで構いませんので無理はしないでください。

まとめ

お宮参りの正式な流れについてお分かりいただけたでしょうか。絶対順守ということはありませんが、知っておいて損はありません。この記事が、お宮参りに迷われている方の参考になれば幸いです。